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買取と仲介手数料を理解する!不動産オーナーが知るべき基礎知識

不動産の売却を考える際、「買取」と「仲介」のどちらを選ぶか、「仲介手数料」のことなどを考えると慎重に検討したくなりますよね。
初めて不動産を売却する方にとっては、買取と仲介の違いや仲介手数料の仕組みは分かりにくいものです。でも、大切な資産を売却するわけですから、できるだけ高く、安心して進めたいというのは誰もが思うことでしょう。
買取か仲介か悩む際には、仲介手数料だけでなく、それぞれのメリットとデメリットを理解することが重要です。買取と仲介手数料の仕組みを理解することで、自分に最適な売却方法を選びやすくなります。
そこで本記事では、不動産オーナーが知っておくべき買取と仲介の違い、また仲介手数料に関する基礎知識を詳しく解説します。売却を検討する際の判断材料として、ぜひ参考にしてください。
買取と仲介の違いを理解しよう!

不動産売却において、買取と仲介は全く異なる方法です。それぞれの特徴を理解することで、自分の状況に合った選択ができるようになるので、それぞれ説明していきます。
買取の仕組み
買取は、不動産会社が直接物件を購入する方法です。
この方法のメリットは、売却のスピードが速いことです。契約書類が整っている場合には、最短で1週間程度で売買契約を結ぶことができます。また、買主が決まるまで待つ必要がないため、確実に売却できるという安心感があります。
デメリットとして、買取価格は市場相場よりも低くなる傾向があります。これは、不動産会社が転売利益を見込んで価格を設定するためです。また、買取の場合、物件の状態や立地条件によっては、買取価格がさらに低くなることもあります。
さらに、買取業者によっては、契約後に追加の条件や手数料が発生することもあるため、契約前に十分な確認が必要です。
仲介の仕組み
仲介は、不動産会社が売主と買主の間に立って取引をサポートする方法です。
この方法のメリットは、市場相場に近い、あるいはそれ以上の価格で売却できる可能性が高いことです。複数の買主候補の中から最も条件の良い相手を選べるため、高値での売却が期待できます。
デメリットとして、仲介の場合は売却までに時間がかかることがあります。一般的に3ヶ月前後かかることが多く、物件の状態や相場によってはさらに長期化する場合もあります。
また、仲介手数料が発生するため、最終的な手取り額を計算する際には注意が必要です。買取と比較し、仲介手数料を考慮して決断することが重要です。
仲介手数料の仕組み
仲介手数料は、不動産会社が仲介サービスを提供する対価として受け取る報酬です。この手数料の上限は宅地建物取引業法で定められており、売却価格によって計算方法が異なります。
400万円超の物件
仲介手数料の上限は『売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税』です。
(例)5,000万円で売却した場合
5,000 × 3% + 6万円 + 消費税(10%)= 上限171.6万円
400万円以下200万円超の物件
仲介手数料の上限は『売却価格 × 4% + 2万円 + 消費税』です。
(例)300万円で売却した場合
300 × 4% + 2万円 + 消費税(10%)= 上限15.4万円
200万円以下の物件
仲介手数料の上限は『売却価格 × 5% + 消費税』です。
(例)160万円で売却した場合
160 × 5% + 消費税(10%)= 上限8.8万円
上記が上限の原則ルールですが、2024年7月1日施行の『空き家等に係る媒介報酬規制の見直し』によって、特例で下記の条件を満たした場合は原則の上限を越えることができるようになりました。
- 低廉な空き家等(売却価格が800万円以下の空き家等)
- 仲介手数料の上限について事前に説明し合意を得る
800万円以下の空き家等
仲介手数料の上限は『30万円 + 消費税』です。
(例)500万円で売却した場合
30万円 + 消費税(10%)= 上限33万円
仲介手数料は売却価格に応じて変動するため、高額物件になるほど手数料も高くなります。しかし、仲介は買取よりも高値で売却できることが多く、手取り額が増える可能性もありますが、最終的に買い手が見つからないリスクもあります。
買取と仲介の選び方のポイント

買取と仲介のどちらを選ぶかは、不動産オーナーの状況や優先事項によって異なります。以下のポイントを考慮して、最適な方法を選択しましょう。
買取をおすすめする人
- 急ぎの資金が必要な人
- 早期に売却を完了させたい人
- 相場よりも低くても早期売却を優先したい人
- 手間と労力をかけたくない人(例: 内覧対応、価格交渉など)
- 築年数が古い、または補修が必要な物件を持っている人
仲介をおすすめする人
- 市場相場で売却したい、あるいはそれ以上の価格を狙いたい人
- 時間に余裕がある人
- 複数の買主候補との交渉や内覧対応などの手間をかけられる人
- 状態の良い物件や人気エリアの物件を持っている人(例:築浅、リフォーム済みなど)
- 仲介手数料を考慮しても、高い手取り額が期待できる人
不動産オーナーとして、これらのポイントを総合的に判断して売却方法を選択することが大切です。また、複数の不動産会社に相談し、買取価格や仲介手数料を比較することも重要です。
まとめ
さて、今回は不動産オーナーが知っておくべき買取と仲介、そして仲介手数料の基礎知識についてお伝えしました。
買取は素早い売却が可能で、仲介手数料は不要です。一方、仲介は高値売却の可能性がありますが、仲介手数料が発生します。どちらを選択するかは、売主の状況や優先事項によって変わってきます。大切なのは、自分の状況をしっかりと把握し、十分な情報を得た上で判断することです。
買取と仲介の選び方のポイントを参考に、自分に合った売却方法を選んでください。また、複数の不動産会社に査定を依頼し、買取価格や仲介手数料を比較検討することで、より良い条件での売却が可能になります。
不動産売却は人生の中でも大きな決断の一つですが、情報を活用して自信を持って進めていきましょう!
(参考文献)
<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ. 国土交通省, (閲覧日 2024-12-24).
不動産業による空き家対策推進プログラムについて. 国土交通省, 2024-06-21, (閲覧日 2025-04-11).