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リフォームは買取前に必要?オーナーが知っておきたい判断基準

物件を売却する際、リフォームしてから買取に出すべきか悩まれる方は多いですよね。費用をかけてリフォームしても買取価格に反映されないかもしれない、でもリフォームせずに売ると価値が下がってしまうかもしれない、そんな不安は当然のことです。
不動産市場では中古住宅の需要が高まっており、物件の状態によってはリフォームして買取に出すと、手を加えていない物件よりも20~30%高く売れる可能性もあります。一方で、全ての物件にリフォームが必要というわけではありません。
そこで今回は、リフォームと買取の関係性や判断基準、物件価値を最大化するための具体的な方法をご紹介します。買取業者はリフォームの有無よりも物件の将来性を重視する傾向があり、法規制の変更も影響するため、総合的な判断が必要になります。物件の特性や状況に合わせた最適な判断ができるよう、重要なポイントを解説していきます。
これが大切!買取前のリフォームで価値を最大化する4つのポイント

不動産をリフォームして買取に出すかどうかの判断には、複数の要素が関わってきます。ここでは4つの重要ポイントから、リフォームと買取の関係性を解説します。
まず1つ目のポイントは、築年数と劣化状態です。特に築10~15年が経過した物件は水回りの設備が買取価格を左右します。給排水管や電気配線に問題がある場合は、適切なリフォームで価値の低下を防げます。外壁や屋根の状態も重要なので、劣化が進んでいるときはリフォームをお勧めします。
2つ目は予算と買取相場の関係です。30坪の全面リフォームはマンションで約600~990万円、一戸建てで約1090~1690万円もかかります。買取業者の多くは自社でリフォームすることを前提に査定するため、高額なリフォームをしても費用が買取価格に完全に反映されないことがあります。このような大きな投資は慎重に判断する必要があるでしょう。
3つ目は買取業者の評価ポイントです。業者が重視するのは建物の基本性能で、給排水管や電気配線などのインフラ、建物の安全性は必ずチェックされます。外観・内装の状態、設備の新しさ、省エネ性能なども評価項目となります。買取専門店と買取仲介店では重視するポイントが異なり、専門店は将来性を、仲介店は即売できるかを重視する傾向があるため、売却先となる業者の特徴を把握しておくことが重要です。
4つ目は物件タイプによる違いです。マンションと戸建てでは、リフォームと買取の考え方が大きく異なります。マンションの場合、水回りのリフォームは比較的簡単で効果も高いですが、共用部分の状態も価格に影響するため注意が必要です。間取りの変更は制限が多いので、大規模なリフォームは慎重に検討しましょう。
一方、戸建ての場合は屋根や外壁など、建物全体の修繕が必要になることが多く、耐震性能も重視されます。敷地の状態や周辺環境まで価格に影響するため、リフォームを決める際は幅広い視点での検討が必要です。建築基準法の改正など法令の変更がリフォームに影響する場合もあるため、最新情報の確認も忘れないようにしましょう。
物件価値を最大化するには、これら4つのポイントをしっかり見極め、リフォームと買取のバランスを考えた必要最小限の修繕を選ぶことが大切です。賢く投資して効果的なリフォームを行えば、納得のいく買取価格が実現できるでしょう。
これで損しない。物件価値を最大化するリフォーム対策

不動産をリフォームして買取に出す際は、必要な投資と無駄な出費の見極めが重要です。ここでは、具体的にどんな場合にリフォームすべきか、しなくても良いかを明確にします。
リフォームすべき明確なケース
- 給排水設備に漏水や詰まりなどの問題がある場合
- 外壁や屋根に雨漏りなどの劣化が見られる場合
- ペットやタバコによる強い臭いがある場合
- 壁や床に大きな穴や傷がある場合
- 設備の老朽化が著しく、安全性に問題がある場合
物件の場所や築年数によっては、リフォーム費用が買取価格に反映されにくいケースもあるため、必要以上の改修はお勧めできません。しかし、上記のような明らかな問題がある場合は対応が必要です。内装リフォームで汚れや臭いが改善できるケースも多く、クロスの貼り替えなら2万5000円~7万円、フローリングの貼り替えでも9~18万円程度で印象が大きく変わります。
省エネ性能を高めるリフォームには補助金制度を活用できる場合もあります。窓やドアの断熱改修、省エネ設備の導入などは、物件価値向上に加えて経済的なメリットもあるでしょう。
リフォームしなくても良いケース
- 立地条件が良く需要の高いエリアにある場合
- 建物の基本構造が頑丈で大きな劣化がない場合
- 日当たりや間取りなど基本性能が優れている場合
- 買取業者が自社でリフォームすることを前提としている場合
- リフォーム費用が予想される買取価格上昇分を上回る場合
日当たりの良さや便利な立地、将来性のある場所にある物件は、それだけでも十分な魅力となります。築年数が経過していても、基本性能が良好であれば買取再販業者から注目される可能性もあります。
買取業者選びも重要なポイントです。最新の法令に詳しく、リフォームから買取までの流れを熟知した業者を選ぶと良いでしょう。買取専門店と買取仲介店では見方が異なるため、複数の業者に相談して比較検討することをお勧めします。
最近ではAIを活用した精密な査定を行う不動産会社も増えています。リフォームして買取に出す場合は、このような総合的な評価をしてくれる業者なら適切な評価が期待できるでしょう。必要な修繕の見極めから業者選びまで、丁寧に判断していくことが大切です。焦らずに効果的なリフォームと信頼できる業者選びを行えば、良い結果につながるはずです。
まとめ
さて今回は、不動産をリフォームして買取に出す際の判断基準と、リフォームと買取の相性について、物件価値を最大化するためのコツをお伝えしました。リフォームの判断には物件の状態だけでなく、市場状況や法令の変更まで様々な要素を考慮する必要があります。
物件価値を最大限に高めるには、必要なリフォームと不要なリフォームの見極めが何より重要です。買取前のリフォームが効果的なのは、給排水設備の不具合、外壁や屋根の劣化、強い臭いや汚れがある場合などです。
一方、立地条件が良い、建物の基本構造に問題がない、買取業者が自社でリフォームする場合などは、リフォームせずに買取に出すことも検討できます。複数の買取業者から査定をもらって比較検討することで、より良い条件が見つかるでしょう。
リフォームと買取のタイミングや範囲は物件によって大きく異なります。今回ご紹介した判断基準を参考に、物件の状態と市場状況をしっかり見極めることで、満足のいく買取価格が実現できるはずです。
あなたの大切な物件が適切な評価を受けられるように、一歩一歩冷静に進めていき、次のオーナーへと引き継いでいきましょう!
(参考文献)
令和5年度 住宅市場動向調査 ~調査結果の概要(抜粋)~. 国土交通省, (閲覧日 2024-12-26).